一般的にアユは成魚で全長25〜30cmに達する。
アユは大きく分けて、群れて暮らす「群れアユ」と、個々がなわばりをもって生活する「なわばりアユ」の2パターンがある。どちらも全身は灰緑色で、胸びれの上に黄色の点があるが、「なわばりアユ」の方が黄色みが強い。
秋の産卵期には橙色と黒の婚姻色が発現する。
口は大きく目の下まで裂けるが、唇はやわらかく、歯は丸く櫛のような構造である。
【降下期(15〜25cm)】【産卵期(15〜25cm)】
9月〜1月頃、親のアユは川を降り、砂や小石の多い浅瀬のある下流域で集団で産卵する。
【孵化・流下期(5〜6mm)】
孵化した仔魚はシロウオのように透明で、心臓やうきぶくろなどが透けて見えている。
孵化後の仔魚は体長約6mmで卵黄嚢を持ち、0〜数日のうちに海あるいは河口域に流下する。そこでカイアシ類などを捕食して成長する。
【河口・海域生活期(6〜60mm)】
体長約10mmから砂浜や河口域の浅瀬に集まり、カイアシ類や仔魚などを捕食し成長する。
【遡上期(35〜60mm)】
3〜6月頃、体長約35mmまで成長して稚魚となり、川を遡上する。この頃から体に色が付き、さらに歯の形が岩の上のケイソウ類を食べるのに適した櫛のような形に変化する。
【河川定着期(10〜25cm)】
川の上流〜中流域に辿り着いた幼魚は、石に付着するケイソウ類(コケ)を歯でこそげ落とすように食べる。