京阪「観月橋駅」を下車し、向島のヨシ原に向かい、観月橋を渡り宇治川の堤防を歩き始めました。私たち以外にもツバメの観察に集まった人たちがたくさんいたので、すぐにここが特別な場所だとわかりました。
途中の堤防で、メンバーで鳥に詳しい菊井さんのツバメ紙芝居がいきなり始まり、続いて、淀川に詳しい河合さんから向島周辺の歴史と環境についてのレクチャーがあり、ツバメと周辺の勉強をし、準備は万全、目的地はまだかと期待が膨らみました。
向島のヨシ原に着くと、多くの人たちがツバメが舞う姿を見ようとスタンバイしてビックリしました。
北にツバメの塒(ねぐら)であるヨシ原が広がり、東に伏見山・伏見桃山城、南に巨椋池(おぐらいけ)を干拓してできた田畑、西に宇治川の下流域とそこに沈む夕日という自然に囲まれた環境で、今か今かと向島大河原のヨシ原を舞うツバメを待ちにしました。
   
   
まずは塒の周辺を偵察するツバメが数十羽現れました。また、田んぼや溜め池、ヨシ原内を流れる水路の水を飲みに、多くのツバメが低空飛行で水面にくちばしをもっていきます。だんだんその数が増えてきました。
「あそこにいるで!」と、上空を指す声があちこちで聞こえました。菊井先生の「ヨシ原のすぐ上にもいっぱいツバメが飛んでいるで!」という声に導かれて双眼鏡で見ると、まるでイナゴのように雲霞のごとくツバメがヨシ原の上をすれすれに飛んでいました。
 
 
   
ツバメの数はさらに増え、あたり一面を埋め尽くすツバメの躍動する姿に、初めて来た人はもちろん、何度か来ている人も「うわぁ〜」「すごいっ!!」と、驚きの声しか出ませんでした。それ程、ツバメが舞う自然の演出が感動的でした。
塒入りするツバメの躍動をさらに感じようとヨシ原に入ると、2〜3m程あるヨシ原内の巣に帰るツバメが何度も頭をかすめ、乱舞するツバメの躍動を身体で感じることができました。ツバメが次々と塒入りする姿を間近に見ました。感動的な自然の力に心が躍り、知り合いもそうでない人も、声を合わせて「すごいな〜!」と感動を共感していました。
ツバメが飛ぶ姿はほとんど確認できなくなり、ツバメの塒入り見学ツアーが終了しました。